こんにちは、ゆうです。
「もう、早く忘れなよ」。失恋の話をしたあとにそう言われて、返す言葉が出てこなくなった。笑って「そうだよね」と合わせたけれど、帰ってから余計につらくなった。そんなことはありませんか。
別れた寂しさに、「まだ悲しんでいる自分がおかしいのかな」という気持ちまで重なると、苦しいですよね。話して少し休みたかったのに、元気になることを急がされたように感じたのかもしれません。
今日は、その一言のあと、無理を増やさずに会話を続けたり、いったん休んだりする方法を考えてみます。今すぐ上手に言い返せなくても大丈夫です。
傷ついたことを、先に認めていい
相手に言葉を返す前に、「あの言い方は、今の私にはつらかった」と心の中で確かめてみませんか。悲しい、悔しい、もう話したくない。ぴったりの言葉が見つからなければ、「つらかった」だけで十分です。
そう考えるのは、自分を責める言葉まで増やさず、次の会話をどうするか選ぶためです。「忘れられない私はだめだ」という結論を、今ここで出さなくてかまいません。
相手がどんなつもりだったのかは、その一言だけではわかりません。励まそうとしたのかもしれないし、どう返せばいいか迷っていたのかもしれない。それでも、自分には痛く響いた。その両方を、そのまま置いておけます。
「悪気はないはず」と急いで納得しようとしなくても、相手との関係を今日決めなくてもよいのです。
気持ちへの返答を調べた実験
気持ちをどう受け止められるかを調べた研究があります。健康な成人90人を無作為に3群へ分け、時間内に終えられない暗算課題を行ってもらった実験です。平均年齢は約22歳でした。
課題への気持ちに対して、実験者が理解を示す返答をする群、気持ちを否定する返答をする群、返答を受けずフォームに気持ちを書く群を比べました。否定する返答の群では、実験中の安心感を後から評価した得点が、ほかの2群より低くなっていました。一方、理解を示す群と返答なしの群には、この得点の統計的に有意な差はありませんでした。[1]
これは実験室での短い会話の研究で、失恋した人の回復や、「早く忘れなよ」という言葉そのものを調べたものではありません。誰かの意図を判定する根拠にもできません。ただ、気持ちへの返答の違いが、安心感に影響しうることを考える材料になります。
返せそうなら、ほしい支えを一文だけ
ここからの言い方は、研究で効果を検証した方法ではなく、この記事からの提案です。相手に今ほしい支えを知ってもらうために、言えそうな一文だけ選んでみてください。
例えば、「今はまだつらいから、アドバイスより、少し聞いてもらえるとうれしい」。もっと短く、「今日は、聞いてもらうだけでもいい?」でもかまいません。
傷ついた理由を全部説明したり、納得するまで話し合ったりしなくて大丈夫です。「早く忘れる」と約束する必要もありません。今この会話でしてもらいたいことを、一つだけ伝える形です。
それでも「そのほうが楽になるよ」と助言が続くことはあるでしょう。そのときは、説明を重ねず、「うん、今日は別の話をしたいな」と話題を変えてもかまいません。
言葉が出ない日は、会話を休んでいい
気持ちを伝えることにも、力がいります。傷ついた直後に、相手を気遣いながら丁寧に説明するのは難しいですよね。話を続けるとつらさが増しそうなら、まず会話を短くすることを考えてみましょう。
言えそうなら、「今日はこの話、ここまでにするね」。電話なら「少し休みたいから、またね」。対面なら、水を飲みに席を外すだけでもよいと思います。
メッセージへの返事を考える余力もなければ、いったん画面を閉じる。その場で笑って合わせてしまった日も、帰ってから続きを送らずに休む選択ができます。
うまく伝えられなかったことまで、自分の落ち度にしなくて大丈夫です。会話をどう整えるかは、少し余力が戻ってから考えられます。
あとから伝えても、そのまま休んでも
もし、その友達とまた話したいと思えたら、後日、「この前、早く忘れなよと言われたとき、少しつらかった。次は、まず聞いてもらえると助かる」と伝える方法もあります。
その場で笑っていたとしても、あとから気持ちを伝えてかまいません。文章にするほうが楽なら、短いメッセージでも十分です。送る気になれなければ、今日は送らずに置いておけます。
相手がどう受け取るかまでは、一人で引き受けなくて大丈夫。同じ言葉が続いてつらいなら、その人とはしばらく別の話をする、失恋の話をする時間を短くする、という選び方もあります。
今夜、伝える言葉を決められなくてもかまいません。「あの言葉はつらかったね」と自分に声をかけ、会話の続きをひと休みする。今日は、それだけにしてみませんか。
大丈夫、無理せず一緒に一歩ずつ前に進んでいこう。
参考文献
- [1]Greville-Harrisほか(2016):気持ちへの返答の条件を変えた実験。この記事では安心感の自己評価について紹介しています。大学リポジトリの原著全文。